船舶無線を楽しむ

大阪湾の船舶位置表示 おもしろ無線

船舶無線を趣味として受信して楽しむ事が出来ます、広帯域受信機か広帯域受信機能の付いたアマチュア無線機などがあれば聞くことが出来ます。

船舶無線とは

「船舶無線(せんぱくむせん)」とは、船舶が無線通信を使用して情報を送受信するためのシステムや装置を指します。船舶無線は、船の安全航行や運行管理、緊急時の連絡手段として重要な役割を果たします。以下に主な船舶無線システムとその機能について説明します。

主な船舶無線システム

  1. VHF無線電話(Very High Frequency Radio Telephone)
  • 海上で短距離通信に使用される無線システム。
  • 通常、30マイル程度の範囲で通信可能。
  • 港湾や近海での通信に利用される。
  • 緊急通信や船同士の連絡に使用されるチャンネル16が存在。
  1. MF/HF無線電話(Medium Frequency/High Frequency Radio Telephone)
  • 中波(MF)および短波(HF)を利用した長距離通信が可能な無線システム。
  • 数百マイルから数千マイルの範囲で通信可能。
  • 大西洋横断や国際的な航行に利用される。
  • グローバル・マリタイム・ディストレス・セーフティ・システム(GMDSS)の一部として重要。
  1. GMDSS(Global Maritime Distress and Safety System)
  • 国際海事機関(IMO)が定めた世界的な海上安全通信システム。
  • 衛星通信、無線電話、無線電信、ナブテックスなどを含む。
  • 船舶の安全航行や遭難時の救助活動に使用される。
  • 各国の沿岸警備隊や海上保安庁がモニタリングを行う。
  1. AIS(Automatic Identification System)
  • 自動船舶識別システム。
  • 船舶の位置、航行速度、方向などを他の船舶や沿岸局に送信。
  • 衝突防止や航行の安全性向上に役立つ。
  1. EPIRB(Emergency Position Indicating Radio Beacon)
  • 緊急位置指示無線標識。
  • 船舶が遭難した際に発信される無線信号。
  • 衛星経由で救助機関に遭難位置を知らせる。

船舶無線の役割

  • 安全通信: 船舶同士や船舶と陸上の通信を通じて航行の安全を確保。
  • 緊急連絡: 遭難や救助が必要な状況で迅速に連絡を取る手段。
  • 運行管理: 港湾や航路の管理、交通整理に役立つ。
  • 情報提供: 気象情報や航行警報などの重要情報を提供。

船舶無線は、船の運航と安全を支える重要なインフラであり、国際的な規制と標準に基づいて運用されています。

受信する方法

マリンVHFとか国際VHFと呼ばれる船舶無線を聞くためには広帯域受信機があれば聞くことが出来ます、比較的安価に購入できるICOMのIC-R6や、RTL-SDR、中華製の受信機などが選択肢になります。
周波数は156MHz帯のFMを使っています、列車無線より少し高い周波数に割り当てられています。
大きな港湾に近ければ比較的簡単に受信できると思いますが、よほど良い条件でない限り室外にアンテナを設置しないと受信できないでしょう、受信のみなのでアマチュア無線用のアンテナでも十分でしょう。

船舶無線では、船舶間や海上交通管理機関との通信が行われます、16チャンネル(156.800MHz)で呼び出し、空きチャンネルに移動して通話しています。
16chは緊急時の呼出周波数にもなっており、世界共通の周波数になっています。
船舶無線では天気予報や海上警告も伝えられる場合があります、船舶無線を通じて天候情報を確認することで、航海や船舶の状況を理解しやすくなるでしょう。
また、無線通信の基本ルールや船舶の呼出し符号、通信手順などを学ぶことで、より理解が深まります。

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船舶の現在地を調べる

船舶の位置や航行情報の把握には AIS(Automatic Identification System)を使用して、船舶の位置や航行情報をリアルタイムで把握することができます。
これにより、船の動きや船舶間のコミュニケーションを追跡できます。
Google mapを利用してAISを表示することが出来ます、これを見ると大阪湾と伊勢湾に多くの船舶が航行しているのがわかります。

大阪湾の状況を見てみましょう。
  https://ja.aprs.fi/#!lat=34.6123&lng=135.5094

ある日の大阪湾の状況です、右のメニューのフィルターをクリックして「Station class : AIS ships」にチェックを入れると船舶のAISのみの表示になります。
船舶名と軌跡が表示されています、表示する時間の幅も変更が可能です。
定期的に画面を書き換えていくので、船の移動状況がわかります。

AIS画像

参考資料

総務省には「国際VHF 利用ガイド」、「国際VHFの運用方法」がPDFで公開されています、参考にしてみてはいかがでしょう。

主なチャンネルと周波数

チャンネル周波数(MHz)使用用途
06156.300すべての船舶
08156.400すべての船舶
09156.450海上保安庁の海岸局・船舶
10156.500すべての船舶
11156.550海上保安庁・ポートラジオ
12156.600海上保安庁・ポートラジオ
13156.650すべての船舶
14156.700海上保安庁・ポートラジオ
16156.800遭難・緊急・一般呼出・応答
69156.475小型船舶間
70156.525デジタル選択呼出用
71156.575マリーナ等のレジャー用海岸局
72156.625小型船舶間
73156.675小型船舶間
74156.725マリーナ等のレジャー用海岸局
77156.875呼出応答用
79161.575マリーナ等のレジャー用海岸局

まとめ

呼び出し用の16chからすぐにサブのチャンネルに移動して通信するので、周波数変更で忙しいかもしれません、楽しむのであれば最初からよく使われているサブチャンネルを聞いていたほうがいいかもしれません。

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